殺人あるいは暴力行為の説明としていくつかの説が考え出された。
一つは進化論の観点から、種内淘汰の一種であるという説。人類も類人猿から進化したことは確実であり、動物であった段階から受け継がれたとする。動物のオスはメスの獲得やリーダーの地位などを巡って種内闘争を行う。これに勝てる者が多くの子孫を残すことによって進化(適応化)を促す。その際単なる威嚇に留まらず相手のオスが致命傷を受けることがあり、殺人(同種殺害)の淵源とする。近年は激しい闘争よりも、威嚇段階で留まる方が有益であると考えられるようになっている。一般に肉食獣など殺傷力が強い武器をもつ動物ほど反撃を恐れ同族同士の実力行使に慎重である。
もう一つは生化学の立場から、男性ホルモンのテストステロンが暴力性を誘発するというもの。テストステロンは筋力増強に繋がるが、一方攻撃性を増すという指摘があり、攻撃行動が重要性を持つ軍人や暴力、殺人犯の大半が男性であることも統計的にこれを裏付けている(外に向ける攻撃ではないが自殺者も男性は多い)。進化論的にもオスはメスや縄張りをめぐるオス同士の闘争、あるいは仲間を守るために角などが発達し、攻撃性もその際は有益であったとされる。文明社会になってその必要性は薄くなり、負の面となって表れるという因果なものになっている。
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