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ヴァイオリン ポジショニング





左手により音程を取るための、ボウイング同様に重要な基本的技術。
各弦は、指で押さえない状態(開放弦)から一音(二度)ずつ高い状態を人差し指、順に中指、薬指、小指として、小指で押さえた状態が右となりの弦と同じ音になる。例えばD線では、何も押さえない開放弦のままではD(レ)、人差し指で押さえるとE(ミ)の音を得ることができる。中指でF(ファ)、薬指でG(ソ)となり、小指でA(ラ)、すなわち右となりのA線と同じ高さを得ることができる。また楽譜などでは人差し指から順に、それぞれの指を1、2、3、4と表記する。
この状態が第一ポジション(first position)であるが、ここから左手を少し手前に動かし、開放弦より二音高い状態(第一pos.より一音高い音)を人差し指で押さえるのが第二ポジション(second position)、三音高い状態を人差し指で押さえるのが第三ポジション(third position)である。一方で第一ポジションより半音低くした状態で押さえる半ポジション(half position)もある。
高ポジションを利用するのは基本的には第一ポジションではとることのできない高い音程を出すためであるが、音色を変化させるためあえて用いる時もある。E線の華やかな音を避けたり(A線を用いる)、G線の高ポジションにおける独特の美しさを出す場合である。『G線上のアリア』(J.S.バッハ管弦楽組曲の第3組曲第2曲をヴァイオリン独奏用に編曲したもの。移調され、全てが一番低音のG線のみで演奏されるため、音の深みで立体的に聴かせる曲となっている)が好例。
ポジショニングは理論上はいくらでも高次の物があるが、特に高いポジションで弾きこなすには熟練を必要とする。音域が高いとわずかな位置の違いで大きく音が外れてしまい、低音ポジションよりもその差が大きい。
ポジショニングは、単なる運指上の技術であるにとどまらない。運指によって音程の取り方が左右され、音楽が異なる様を呈するからである。正確な音程を手に叩き込んだのち、曲の解釈から生まれる表現を実現するために、適切なポジショニングを模索することが重大である。
ギターヴィオール族と違って指をおさえる位置を示すフレットが無いため、正確な音程をとるためには何度も練習して正しい位置を覚える必要がある。このことが初心演奏者にとって一つの壁となる。他方、このことは平均律に拠らない音階や微分音を用いた演奏の可能性をもたらすものでもある。



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