ロマン派音楽においても、楽器法の開発は続けられた。ベルリオーズのような作曲家は、かつてない手法で管弦楽法を施し、改めて管楽器を目立たせた。従来は滅多に利用されなかったピッコロやコーラングレ、オフィクレイドやチューバ、ハープのような楽器を取り入れて、「標準的な」オーケストラの規模は膨れ上がる。ワーグナーとブルックナーはワーグナー・チューバも重用した。
マーラーの《交響曲第8番》は、膨大な人数の合唱と演奏者が指定されたことにちなんで、「千人の交響曲」と呼ばれたほどである。
より大編成のオーケストラの利用に加えて、ロマン派音楽の特色は、作品が長くなりがちだったことである。ハイドンやモーツァルトの典型的な交響曲は演奏時間が25分程度しかないが、一般にロマン派音楽の開始に位置付けられるベートーヴェンの《交響曲第3番「英雄」》は40分程度の長さである。大作化の傾向は、とりわけブルックナーやマーラーの交響曲において頂点に達した。
ロマン派音楽の時代は、楽器演奏の名人の台頭する時期でもあった。ヴァイオリニストのニコロ・パガニーニは、19世紀初頭のスターのひとりであったが、その名声はたいてい、演奏技巧と同じく、カリスマ的資質に由来するものと見縊られていた。リストは非常に有能な作曲家であっただけでなく、たいへん人気の高い名ピアニストでもあった。このようなヴィルトゥオーソの出演する演奏会は、作曲家よりも大人数の聴衆を呼び込みがちであった。
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