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ホルスト・ケーラー 大統領





2004年5月23日に投票が行われ、一次投票で過半数を制したケーラーが第9代大統領に選出された。ケーラーは前歴に政治活動歴がない初めての連邦大統領であり、また今のところドイツ国土の外で生まれた唯一の大統領である。2004年7月1日、宣誓式を行って就任した。
大統領に政治的実権はないが、ケーラーは折にふれてその時の政治状況に意見する傾向がある。2004年11月3日、シュレーダー政権が休日を減らすためにドイツ統一記念日(10月3日)を固定の祝日から外して土曜か日曜の移動祝日に変更する案を発表した時、ケーラーは公然とこれに反対した。ケーラーの直言は大きな支持を得て、政府はこの案を撤回した。2005年3月には失業対策を最優先するよう各党に要求している。2007年には出演したテレビのトーク番組で国民の直接選挙による大統領選出を提案して、与野党から批判されたこともある。
2005年2月2日、イスラエルを初訪問。国交樹立40周年を記念して、前任者のヨハネス・ラウに次いで二番目のイスラエル国会で演説した大統領になった。イスラエル国会の一部議員は、英語に堪能なケーラーはホロコースト経験者の感情に配慮して、ドイツ語ではなく英語で演説するべきだと要求した。ケーラーはそれに配慮したのか最初の挨拶をヘブライ語で行ったが、あとはドイツ語で演説した。時に涙声になりながらホロコーストについてのドイツの責任を認めて謝罪し、ドイツは反セム主義との戦いや中東和平に貢献する責任があると述べた。同年5月8日は第二次世界大戦の終戦60周年だったが、その演説でもドイツの責任に終わりはないと述べた。保守派の一部には「戦後ドイツの成功の歴史」についての言及が少ないという不満が起きた。
2005年7月、連邦議会選挙を一年前倒し実施したいというシュレーダー首相の提案で首相不信任案がわざと可決され(連邦議会には自発解散権がないため)、きわめて異例なことながら大統領権限で連邦議会に解散を命じた。これは33年ぶりのことであった。この選挙の結果シュレーダー政権は退陣し、アンゲラ・メルケル政権が誕生した。2006年10月、ケーラー大統領は憲法に抵触するという理由で、連邦政府が作成し連邦議会が可決した航空安全法への承認署名を初めて拒否した(2007年2月、連邦憲法裁判所がこの法律を違憲と認めた)。同年12月には同様に消費者保護新法が地方自治の原則に反するとして署名を拒否している。このほか安楽死に明確な反対を示したり、リビング・ウィルに関する法整備を主張したりと、倫理に関する発言も多い。
党内の支持もあり、順当にいけば2009年の大統領選挙に出馬して二期目に入るとみられる。



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