融点が低く比較的無害な金属材料として、スズ単体、または、合金の成分として古来から広く用いられてきた。スズを含む合金としては、鉛との合金であるはんだ(最近は鉛フリーのはんだもある)、銅との合金である青銅が代表的。スズ単体についても、適度な硬さがあり加工もしやすいため、アルミニウムが安価に生産されるようになるまでは食器などの日用品やスズ箔として広く用いられてきた。パイプオルガンのパイプもスズを主とした合金である。
近代における用途として、βスズを鋼板に被覆したブリキや、軸受に用いられるバビットメタル(銅およびアンチモンとの合金)、ウッド合金やガリンスタンのような一連の低融点合金などがある。また、インジウムとスズの酸化物(ITO)は液晶ディスプレイ・有機ELの電極として用いられるほか、熱線カットガラスとして乗用車のフロントガラスなどの表面に用いられる。
日本において、スズそのものの加工品としては奈良時代後期に茶とともに持ち込まれた可能性が高い。今でいう茶壷、茶托などであろうと推測される。金属スズは比較的毒性が低く、酸化や腐食に強いため、主に飲食器として重宝された。現在でも、大陸喫茶文化の流れを汲む煎茶道ではスズの器物が用いられることが多い。日本独自のものには、神社で用いられる瓶子(へいし、御神酒徳利)、水玉、高杯などの神具がある。いずれも京都を中心として製法が発展し、全国へ広まった。
それまでの特権階級のものから、江戸時代には町民階級にも慣れ親しまれ、酒器、中でも特に注器としてもてはやされた。京都、大阪、鹿児島に、伝統的な錫工芸品が今も残る。
また、融点が低いことを利用してフロートガラスの製造にも使われている。
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