佐々木の用意した脚本は型破りな、ト書きまでもが砕けた会話調で書かれたポップな乗りのもので、スタッフと出演者のイメージを膨らまさせ、新しい演出のアイデアやアドリブ演技が次々と生み出されていった。
漫画原作のドラマに最初は強い抵抗を感じていた哲也役の石立は、本作を単なるドタバタ劇に終わらせまいと言う意欲の元に、台詞のやり取りで面白さを表現するファルス(笑劇)の効果を狙った演技プランを提案し、台詞のメリハリとリズム感を強調して対話のスピードを通常よりも大幅にテンポアップした。佐々木初めスタッフ達はそれを受け入れ、30分ドラマに通常の一時間ドラマ並みの台詞を取り込んだ。最初は気後れしていた飛鳥役の岡崎も天性の感性の良さを発揮して、すぐに石立の演技に喰らいついてゆき(ルシル・ボールの演技を参考にしたと発言している)、やがては絶妙に息の合った夫婦を作り上げていった(なお後年石立は回想で岡崎の演技を「二週間で僕の芝居を覚えてしまった。僕がこれまでに会った女優さんの中で一番感性のいい人だった。」と賞賛している)。
メイン監督の湯浅憲明は一名「三段落ちショット」とも言われる、シーンの変わり目に女性スキャットをバックに小道具の花や人形などの約一秒間のアップ映像を3ショット連続で写しこみ、ドラマの状況を明示し、テンポ感をつけてからストーリーを展開させる演出法を作り上げた。湯浅の持論は「コメディは三拍子が面白い」と言うもので、この考えに支えられて、うつみみどり(現・うつみ宮土理)演ずる花咲ユメ子の流行語にもなった「くやしいわ、くやしいわ、なんだかとってもくやしいわ(様々なバリエーションあり)」と言うギャグも生まれた。
さらにドラマの後半には、佐々木が本作と同時期に手掛けたドラマ「お荷物小荷物」(1970年 朝日放送)で多用された、ドラマの中で出演者が唐突に視聴者に語りかける「脱ドラマ演出」も試みられている。この演出法は次回作の「なんたって18歳!」でより徹底して使用された。
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